ピアノのピッチの変化から思うこと
当教室のピアノは1年に2回メンテナンスをして
常に心地よい演奏ができるように音程を調節などのメンテナンスをしています。
このメンテナンスの中でメインとなる『調律』をする際には、
基準のHz(ヘルツ)を決める必要があるのですが、
世界標準値から、かけ離れすぎると演奏会場のピアノで演奏する際に耳の不都合が生じるし、かといって440Hzは落ち着かない、ヨーロッパオケ並みのピッチの442Hzでは高すぎるし…というわけで、私はA=441Hzで調律師さんにお願いしています。
その昔、古典派~ロマン派時代、ウィーンで日常的に使われていたピッチはA=430Hzで
A =440Hzのピアノで考えると、A音とA♭音の中間の音だったことを考慮すると
220年間に1/4音もの差が生じたのですね。
余談になりますが、私が所有するクラビコードは当該楽器がつくられた時代には、
音楽の音の実体を「周波数」などと機械的にとらえることがなかったため、
現代主流の平均律による調律ではなく、ミーントーンという中全音律による調律をします。
ちょうどモーツァルトが活躍していた時代に流行った音律です。
周波数とは?
音は空気の振動によって発生しますが、その振動の速さ(1秒間に振動する回数)を数値で表したものが周波数[Hz](ヘルツ)です。
現在、時報で採用されているHz(ヘルツ)はA=440Hzで世界共通ですが、過去にヨーロッパの国々で採用されていたピッチは以下の通りです。
時代 | 名称など | 基準周波数 |
15~16世紀 ルネサンス時代 | ベネチアン・ピッチ | 466Hz |
17~18世紀 バロック時代 | バロック・ピッチ | 415Hz |
18世紀 バロック時代の後期 | ベルサイユ・ピッチ、フレンチ・ピッチ | 392Hz |
18世紀 ヘンデルによる | ヘンデルの音叉 | 422.5Hz |
18世紀 モーツァルトによる | モーツァルト・ピッチ | 422Hz |
18~19世紀 古典派時代 | 古典派ピッチ | 430Hz |
1859年 フランス政府による | フランス政府によって制定されたピッチ | 435Hz |
19世紀 ヴェルディによる | ヴェルディ・ピッチ | 432Hz |
1884年 イタリア政府による | イタリア政府によって制定されたピッチ | 432Hz |
1925年 アメリカ政府・団体による | アメリカ政府・団体によって制定されたピッチ | 440Hz |
1939年 国際会議による | ロンドン国際会議によって制定されたピッチ | 440Hz |
1953年 ISOによる | ISOによって制定された国際基準値 | 440Hz |
20世紀 カラヤンによる | カラヤン・チューニング | 446Hz |
現在 ウィーン交響楽団、ベルリン交響楽団など | 現在も使われている基準値以外のピッチ | 444Hz~448Hz |
引用:
432Hz にまつわる噂
巷では、まことしやかに周波数にまつわる伝説が存在していますが、その中でも「432Hz」が究極の癒し効果とされる音楽の都市があります。
真実として
・ベルディ、モーツァルトは、すべての楽曲に432Hzを使っていた
ことにベルディに関しては、自身が作曲したレクイエムに435Hz(1859年当時、フランスの標準調子)を用いるよう要請したが、後年になって432Hzが望ましい旨をほのめかしていることから、ヴェルディは、432Hzに言及した唯一の作曲家であるといわれている。
興味深い記事があったので、リンクを張っておきます。
究極の癒やし効果と称された「432Hz」音楽にまつわる9つの嘘と真実
人間の精神が安定するピッチって?
音楽でいちごの生育が良くなるとか、乳牛のミルクの出が促進されるとか…
では、人間にとってもここち良いピッチというものがあるのでしょうか。
本当に純正律が心地よいのか、巷で噂のシューマン共振など…
また、続きは後ほど記します♪
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